さて、ある日の私は羽田空港にいた。
時間は11時25分。
集合時間は11時30分なのでこの広い第一ターミナルで迷子などなったら一巻の終わりである。
さて、出発フロアからショッピングフロアに移動し、5階に行かなくてはならない。
本当はエレベーターで行きたいのだが全く来ない。
この時間で下の階に向かうものに飛び乗ったりなどしたら悲惨である。
仕方がないので、階段を駆け上がる。
確か、3階に上がればエスカレーターがあったはずと思い出したからだ。
羽田空港は展望デッキに上がる需要などが凄まじくエレベーター3台では逼迫した状態となっていて、空港の会社側も「お急ぎの場合はエスカレーターや階段をご利用ください」と案内する状態だ。
しかし、スペースがあるわけでもなければ大規模改修で空港を閉めようものなら迷惑する客が半端ではないほどにいるので下手に閉めてエレベーターを増やすというわけにも行かない。
ぜひ、このブログの読者の皆様は階段やエスカレーターを使うことで困っているベビーカー連れのお客様などに配慮をしてほしいと思う。
最も必要なら無理せずに利用してほしい。
さて、11時27分。
空港ビル4階。
あと一階層と少しを3分以内に移動しなくてはならない。
外ならば爆速で走ればなんとかなるかもしれないものの、ビルの中なので下手なことはできない。
ここで秘策を使うことにする。
電話をかけるのだ。店に。
「ギリギリですみません」と空港内で迷ったふりをして道順を聞き出す。
今後の迷子対策とドタキャンしてないということの二つを効率的に示すいい秘策だ。
本当にピンチの時以外使わないでほしいと思うが。
僕は真面目なので(笑)しっかり間に合った。
11時29分息切れしつつの到着となった。
実際、通り道のスタバの店員さんに変な顔で見られる程度には焦って向かっていたので仕方ないだろう。
店舗は青を基調としたデザインで、店内手前がわはオリジナルグッズの販売があり、飛行機ファンなのか人がひっきりなしに訪れていた。
また、奥側はシュミレーター体験の受付レジと販売の会計レジがあるのだが、その手前にスターフライヤーの座席の実物モデル?があったのは驚いた。
自由に座ってもいいそうなのだが流石にやめておいた。
さて、受付をして早速シュミレータールームに入る。
男性のインストラクターの方に教えていただくのだがとても丁寧で優しかった。
今回のコースは「東京遊覧」らしい。
このほうが土地勘が多少なりともあるのでありがたい。
私の乗務する機体は羽田空港の滑走路上に止まっていた。
羽田ほどのハブ空港になるとこんな滑走路の途中で止まって乗務交代などありえるわけがないのだがそこにリアリティを求めても意味がないことは明白なので黙っておく。
この日の飛行機操縦は僕のロストヴァージン。
ゲームでも飛行機の操縦などやったことのない身にとって大変に怖い操縦ではあるのだが頑張ろうと思う。
実際、インストラクターさんの指導は丁寧で安心して初めてを任せることのできる存在だった。
離陸。
インストラクターさんが「まずは東京スカイツリーの方へ向かってみましょうか」と言う。
私は精一杯操縦桿を握りスカイツリーの方へ旋回していく。
何が難しいかというと、普段乗っている地上の交通機関の数倍、数十倍、数百倍のスピードが出る点。
普段、自転車で2時間かけて向かっている東京スカイツリーという感覚が染み付いているが故に下手に旋回が遅れるとスカイツリー上空を過ぎ去っておわってしまう。
一方、私は「この飛行機乗り心地悪いだろうな」と自責の念に駆られていた。
この時ほど「初めて」というのを言い訳にして逃げたいという気持ちになったのは初めてだった。
さて、スカイツリー上空を旋回し、次は海ほたる方面に向かうことになった。
海ほたるは海上にポツンと浮かぶがゆえ、わかりやすいかと思いきや、東京湾は建物がひしめき合っている延長線上にある海なので外洋と異なり、目標物を見つけるのがとても難しいのが辛いところだった。
なんとか海ほたる上空に到着する、旋回して羽田に向かうらしい「もう終わり!?」と思ったのだが確かに手元の腕時計を見るに実際にもう10分が経過していた。
15分コースなので、もう間も無く終了の時間なのである。
よくある「ゲームをやめさせる母親像」と違い、きちんと着陸の指導までしてくれるのがとてもありがたいところだ。
しかし、旋回に失敗した。
高度がぐんぐん下がる。
操縦桿を手前にひき精一杯高度を上げようと努めるのだが、、、
結果からお伝えしよう。
墜落した、海上に。
当然シュミレーターなので溺れたりなどすることはないのだが「乗り心地が悪い」で済む話じゃなくなって辛くなってしまった。
しかし、インストラクターさんがきちんと調整してくれて着陸前の状態までにしてくれた。
これを墜落しないでやっているのは本当にパイロット様様なんだなという感想である。
さて、着陸だけは成功した。
距離感覚が難しく、高度計だけだと全く感覚が掴めないというところが正直な話なのだが、それを口に出すことはせず、真面目に着陸して{人生で最も早い15分間}は思った。
シュミレータールームで記念写真を撮ってもらいいい記念を作ったりした所で部屋を後にする。
焦りすぎてきた時には気が付かなかったのだが、窓からは滑走路が見え先ほど離陸したであろう場所を実際に離陸、着陸する飛行機が展望できる最高のものだった。
しかし、ここに席を置いてしまうと長居してしまったり撮影陣が店の運営の邪魔になってしまうからか目の前にある窓向きの座席は「次のパイロット様専用」として店のシュミレータを使う人のみが利用できるものだった。
さて、店内を物色してから帰ろうとする。
先ほどのスターフライヤー機とパイロット専用席の間に16万円で機内のカートが販売されていて驚いてしまった。
実際に買う人はいるのだろうか。現金があれば購入してレビューなどして見たいとも思う所である。
さて、退店しようと思う。
シュミレーター体験はとても面白く今後二度と体験できないものだと自分の身で感じたのでぜひ皆さんにも行っていただきたいと思う。
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