※この記事は第2回の記事になっています。前回の第1回記事をお読みで無い方は以下から先にお読みください。
さて、開通よりだいぶ早く終点の芳賀・高根沢工業団地に車で到着したわけだが、この後何をするか。
宇都宮の駅まで10km歩いて戻ってもいいとは思うが、そんなことをやっているうちにLRTが来てしまったらもったいなく感じるし、こちら側の電停の1番列車待機列は未だ5人のみととても少ない。
まだまだ取材の準備中の下野新聞の記者さんとお話をしつつその時を待つが、とても暑い。
また、駅にはまだ入ることができずやることも正直ない。
こちらでも少ないものの黄色のスタッフTシャツを着た方が、改札への入り口を終日通行止として封鎖しており、駅には基本的にどうやっても行けなくなっていた。
また、恰好の撮影地と思われる、目の前の道路をまたぐ跨線橋も「立ち止まっての撮影禁止」と芳賀町からのお達しがあったり、関係者、記者の専用ブースとしてコーンが置かれていたりと混乱対策は十分すぎるというほどだった。
この景色だと、上から撮りたくなるのもわかるから正解だとは思うし、宇都宮駅周辺にあれだけのお客がいてこちらに流れてこないわけでも無いだろうから、十分すぎるほどがいいと思う。
駅前歩道橋
ところでこの歩道橋は「箸塚歩道橋」というらしい。
橋や歩道橋の名前でこっちの箸という字が使われるは珍しいのではなかろうか?
やけに新しく見えるが銘板を探して見ることにする。
面白いほどにあっちへこっちへ翻弄されつつ、「無いなぁ」と思っていたら初期座標の真上にあった。
2023年7月に作られた様子。ただし、塗装は2023年1月というから塗装してから持ってきたのだろうか?それにしても空白の半年は何?という感じだが詳しい人が見ればもっと何かわかるのかもしれない。
20分の徒歩
流石に暑さに耐えられなくなってきた。
暑い。
この駅の不便なところは最寄りのファミリーマートまで徒歩20分程度ということだろうか。
ともかく、お茶とお昼ご飯の調達を目的にして歩いて行ってみようと思う。
田んぼ道をずっと歩く。大きい道までどんどん歩く。
田んぼ道の何がいやかと言えば直射日光に当てられること。
そてつは基本冷暗所保管を前提に設計されたロボなので、暖炉とかは当たるけれど直射日光を避けて保管する必要がある。
実際、開業の瞬間までも歩道橋の下で涼んでいたくらいだから。
ようやく、ファミリーマートについた。
暑くて意識が朦朧とし始めたあたりで駐車場の入り口に差し掛かる。
そこで厄介だったのが、ここ。
10cmの段差があってこけかけた。
「ウォウ!」と声が出てしまうほどだった。
ということで路上店のファミリーマート芳賀台店に到着。
購入したのはこちら。
これでもまだまだ足りないほどだった。 特にお茶。(上記写真は店舗敷地での撮影ではありません)
帰り20分
さて、涼しいところから出たくないが帰らなくてはならない。
同じ道で帰るわけだが、ちょうどお昼時ということもあり、農家のおじさまとちょっとお話しさせていただけることになった。
おじいさま(以下:じ):この道歩くのホンダの社員ばっかりだからホンダの社員さんかと思ったんだけれど、土曜日だからあれ?って思って
そてつ(以下:そ):いやLRTの開業を見にきたんですよ。
じ:そっか、今日その日か。
そ:そうなんです。なんですが、あまりにも暑いもので、芳賀台のファミマまで飲み物とか買いに行こうと思ってですね。往復1時間です笑
じ:それは大変だねぇ。
そ:LRTできて便利になりそうですか?
じ:例えば、宇都宮市街に飲みに行っても宇都宮まで迎えにきてもらわなくていいのはありがたいね。駅から近いからお散歩してりゃ家に帰れるし。
そ:そうですよね。これからは宇都宮市街がさらに近くなりますね。
じ:そうですね。孫たちも帰ってくるのに私らが迎えに行かずに乗ってきてくれればそれでいいからね。「乗るの楽しみ」って言ってるみたいだし。
そ:嬉しい効果ですね。ところで、宇都宮市の方では「免許返納率が上がるのでは?」という話もあがっているようですけど芳賀町の方では感じられることありますか?
じ:こっちは車がないと生活できないから。芳賀町的にはホンダの通勤用として開通させている側面あるしね。宇都宮はバスもあるしある程度生活できるけど。
そ:なるほどです。おじいさんのお米美味しそうですね。
じ:もうすぐ旬だからね。スズメもだんだん増えてきたよ。
そ:おじいさんのお米が美味しいから啄みたくなるんですね!
じ:田んぼの枚数が多すぎて適当になりつつあるけど
そ:このあたり一帯そうなんですか?
じ:そうだよ。ここらはみんな高齢化で引退しちゃうから俺も元々は雇われ人だったけど定年後に始めたんだよ。
そ:なるほどです。すみません、休憩中に!貴重なお話ありがとうございました!!
さながら取材のようになってしまったが僕としては雑談のつもりだったのだけれどな、と。
まぁ良い、新聞にものらないいいお話が聞けただろう。
1番列車
ついた時にはもう人混みが増えてきていたがさすがに宇都宮駅周辺ほどではなかった。
そんな中で、突如一台の大型バスが横付けされて、多くの人が降りてくる!と思ったら、近くの中学校の生徒で吹奏楽でお出迎えするためにやってきたんだそうな。
また、近くの保育園の園児さんも横断幕を持って出てきてやはりお祭りモードだった。
そんな中黄色い蜂のような見た目のLRT1番列車貸切が近ついてきた。
宇都宮市長などの来賓を乗せた、特別な列車だ。
入線と同時に情熱大陸の合奏が始まる。
音圧と楽器のかっこよさに圧死しそうになったがなんとか持ち堪えた。
ここで一つ歩道橋から風船が飛んだ。
黄色い風船が1つ。
そしてまた赤が1つ、緑が1つと飛んでいく。
なんだろうとザワザワし始めるが、お偉い方の話が終わり、見送りの合奏が始まったあたりでだんだん関係なくなってきた。
と、同時に大量の風船が空を舞う。
芳賀町の歓迎イベントだった。
新しい歩道橋の上を舞っていく、風船は綺麗だった。
1番列車が皆に送られ出発していった。
旅客用1番列車
14時40分。
乗客用1番列車になる回送列車が入線してきた。
下野新聞の雑談していた記者さんから号外をいただき反対側の駅入り口に向かう。
ちょうど前にいたとある大物YouTuberさんで1番列車の乗車人数に達しており、お陰様で2番列車、かつ座席保証がされた。
1番列車にこだわるよりも2番列車でも座席保証があった方が好きなので。
駅の外観はこんな感じ。
ライトラインの外観がモチーフになった、ロゴマークが駅にも書かれている。
1番列車はおおよそ定刻で発車。
わずかな遅れは宇都宮駅東口の混雑を見ると遅延にも当たらないレベルだろう。
いざ、乗車
ホームに入る。
すごい混雑のように見えるが、きちんと整列もされていて、そこまで混んでいないように思う。
係員さんが「記念に!」と言って整理券をプレゼントいただいたので、ありがたくいただいていくことにする。
私はトトラで精算するが。
最初の電停は乗客が決まった人数程度で、皆が混雑抑止で1番前の車両から乗り込むので、最後尾の車両は比較的空いていた。
シートは革張りで、黄色があしらわれているのがかっこいい。
ドアが閉まり、こちらは定刻で発車。
発車すると皆さんが手を振ってくれる。
混雑はそこそこなので、こちらからも思い切り手を振り返す。
もっとも、新しく物珍しいというのもあるだろうが初日のライトレール人気は凄まじく。
隣のかしの森公園前で乗る人もそこそこいた。
なぜなら、途中の電停からなら、整理券も並びも無しで乗車できるからだ。
さて、睡眠。
頭おかしいと思うだろう。
なんとかしの森公園前を過ぎて少し、対向下りの大混雑列車を見た直後に寝落ちてしまった。
なぜならと言えばふかふかのシート、気持ちいい日差し。
睡眠にちょうどいい環境が整っていたからだった。
起きたら平石。
乗車率は恐ろしく、都内よりも都内だった。
専用軌道から降りてくるかっこいい車体は絵になるのですごい。
デザイナーが気になる。
さて、宇都宮は混んでいそうで嫌いなので一つ手前の東宿郷で下車する。
巷の鉄オタさんからすると東宿郷から宇都宮東口までを乗らないのは勿体無いと思われるかもしれないが、そもそも平石までの相当な区間を寝ている僕にとって今更乗車記録なんてものは存在しないし、宇都宮くらいまたくればいいので、混雑の落ち着いたころにまた乗ろうと思う。
ということで探検を終え、今日はグリーン車で帰るとしよう。
ではまた。